
地元の楽器店で Gibson ES-335 を探していた時のことです。
店長さん曰く「本当の"箱もの"はやっぱりフルアコやで」。
のちに ES-335 を購入した後もずっとこの一言が頭を離れませんでした。
しかしただでも希少な左用 Guitar 。
ましてやフルアコは何年経ってもなかなか見つけられず 試奏さえできません。
Live 前に弦を買いに行ったら
Live 前いつものように弦を買いに行きました。
お店は大阪では唯一「左用 Corner」がある梅田ナカイ楽器。
もちろんここでこの 一角を Checkするのは恒例行事。
とはいえなかなか好みの Guitar はないのですが なんとこの日はフルアコが1本!
フルアコってこういうことか
弦を買いに行ったので Guitar を買う手持ち金はないのですが 試奏だけでも。
抱えてみると確かにセミアコとは全然違う。
Acoustic Guitar に近い胴厚。
当然空洞部分が大きく とても軽い。
弾いてみると 生音が大きく Air 感がある。
セミアコとは別物です。
これを逃すと次がない
予定外ですがこれを逃すと次がないので買うしかありません。
韓国製ということもありフルアコとしては手頃な価格だったので その場で手付金を払って確保。
後日引き取りに行きました。
行き当たりばったりの楽器購入ですが結果的には良かったと思っています。
Fret のバリ
ところが残念ながらこの Guitar は 僕の所有した中で最も Trouble が多い個体でした。
まず数ヶ月後に Fret の「バリ」と呼ばれる現象が発生。
ネックの木が縮んで金属の Fret が両端にはみ出してくる現象です。
手が痛いくらい演奏の支障になるので購入したお店に持って行きました。
Fret を削ってもらう Repair をしてもらい解決しました。
バリの原因は Neck の木材が十分 Seasoning(時間をかけて水分を抜き剤を安定させる)されていなかったから。
水分が抜けてネックが収縮したため Fret が突き出してしまったのです。
右用の Bridge がついていた
弦交換をしようとして違和感を感じよくよく観察してみました。
すると Bridge が右用ではないですか !
これもお店に持って行って交換してもらいました。
部品が入るまで数ヶ月待ちました。
Pag が折れた
さらに数ヶ月と Tuning をしていると Pegが根本から折れてしまいました。
木材から染み出した水分が金属 Peg を錆びさせてしまったようです。
またまたお店に持って行き交換をお願いしました。
Fret のバリも同様ですが Seasoning が十分なされていないというのは楽器としては致命的です。
「ハズレ」見分けるのは難しい
結論を言うとこの個体は「ハズレ」でした。
Gibson 配下の Epiphone であり「設計」は悪くないのです 。
しかし「品質管理」に問題があったと言うことです。
ではこのような「ハズレ」をつかまされるのを防ぐことは可能でしょうか?
特に安価な楽器では外す確率が高く難しいです。
Guitar 弾きといえども 楽器製造・流通の Pro ではありません。
特に安価な楽器を買うのは初心者が多いでしょうから 試奏だけで 木材の状態まで把握するのは困難でしょう
「ハズレ」を掴まないために「店」を選ぶ
しかし方法がないわけではありません。
それは「店」を選ぶことです。
僕が知る限り東京渋谷の Walkin'さんは信頼できます。
別の Page で紹介している Eastman のフルアコを購入した時 この Empelor Ⅱも展示してありました。
「この Guitar 品質に問題はないですか?」と質問をしました。
店長さんは「うちは仕入れる前に入念に Check して選別しています」とのこと。
僕が購入した Eastman も入念に調整をした上で渡してもらいました。
店何にそういう作業ができる Repair 専門の Stuff がおられました。
楽器店というのは本来こうあるべきと思いました。
Repair 工房 に発注するのも一考かと
しかし現実問題ここまでやっている楽器店ってどれほどあるでしょうか?
なかなか見つけられないのではないでしょうか?。
そこでご提案したいのが 楽器の制作や修理をしている工房を通して発注してもらうことです。
修理をしているところなら何が原因でどういう問題が起こるか?熟知しており良い個体を選ぶ「目利き」ができます。
調整・修理は楽器を長く使うならどのみち必要になるので最初から工房にお世話になっておくのも一つの方法です。
ただ 工房も以下のような問題のあるお店もあると聞きますので注意が必要です。
- 能力がないのに修理・調整を行なってクレームの山になっている
- 法外な利益を取っている
- 高額な楽器ばかを売りつける
「ハズレ」の個体を掴んだ時にやるべきこと
それでも「ハズレ」の個体を掴まされてしまった時 泣き寝入りしかないのでしょうか?
そうではありません。
僕は前述の3つの Trouble を含めこの個体を何度もお店に持ち込んで修理・調整をお願いしました。
まずは保証期間内にこまめにこれをやって問題を潰し切ることです。
実際 僕の個体は保証期間の1年以内に問題を潰したおかげでその後は安定しています。
楽器の Trouble は前出の Seasoning 不足によるものが多いので年月を経ることで安定してきます。
裏を返せば良くない状態を放置すると悪い状態で安定してしまうということです。
状態がいい中古楽器は狙い目かも
ここまで読んでいただければ分かるとおり楽器の不具合というのは「若い個体」に起こりやすいです。
ということは「中古」は状態が安定している場合が多いです。
問題があった個体もこの例のように初期に出し切っているので適切に調整・修理された中古は新品より却って良いかもしれません。
失敗は授業料
この楽器の購入は正直失敗でした。
先ほど「結果的に良かった」と書いたのはその後の楽器購入にこの失敗が生きているからです。
この記事を書けているのも失敗をして四苦八苦したおかげです。
誰かがしている失敗は繰り返す必要はありません。
この記事を読んでいただいた皆様は是非参考にしていただき良い楽器とお店選びをしてください。
Gibson ES-335 from Singapore
Eastman AR-910CELH from Shibuya
Benedetto Bravo from Ginza
Telecaster Thinline ('70 style) From Nagoya
Telecaster Thinline ('72 style) on Guitar Magazine
Fender Storatocaster (American Standard) in Shinsaibashi
Epiphone Empelor Ⅱ
Ibanez AS73 from Umeda
Eastman PCH2-TG-CHL at Wade Instrument
Guild D-150 from Umeda
Tokai Cat’s Eyes CE200DL
Kodaira(小平)AST-60 from internet auction
Fender Jazz Bass '62 style from Shinsaibashi
Karl Hofner from Auction
YAMAHA P-225 Electric Piano from SOUND HOUSE