The Double Bogeyのベースプレイはいかにあるべきか…常々考えてきたことなのですが、ひとつの方向性として見えてきたことが「伴奏楽器」にならないか、ということ。
きっかけとなったのが、有名なSmileという曲のアレンジをしたときのことです。そのアレンジとは「ギター抜きでボーカルとベースが対峙する」というもの。なにしろベースで歌の伴奏をするというなんて、はじめての体験です。それなりに色々と考えました。やっぱり和音もいるよなあ…なんて(笑)
ギターとは違って4本の弦しかないので複雑なハーモニーは難しいし、逆に音を重ねすぎると濁って何が何だかわからなくなる。最小限の音で最大限の表現効果を得るにはどうしたら…結果できたアレンジは、単音のリズムキープの中に和音を織り交ぜるというもので、決して超絶プレイというものではないのですが(笑)それでもはじめてライブで演奏する時は異様に緊張しました。
それまで自分には必要が無いと思い込んでいた多弦ベースとその可能性を強烈に意識するようになったのはそれからのこと。
5弦ベースの必要性は多少感じてはいました。時々お祭りバンドで演奏するヒットチューンは4弦のEより低い音が頻繁に出てきます。4弦のみLOW-Dにチューニングしたり、曲の途中で一瞬下げたりと工夫はしてみるものの、やっぱり不便。とはいえ4弦に慣れきった指を、多弦ベースの太く幅広いネックや指板に合わせるのも今さらなあ…という躊躇もあり…
しかしその時はやってきました。ちょうど出会ったSUGIベースの5弦タイプに触れたとき、あまりの自然なフィーリングに「自分でもイケる」と今までの不安が一気に確信に変わったのです。
SUGIベースは4弦を購入しましたが、その後いよいよ5弦を通り越して6弦に踏み出すという行動に出たわけです。
とはいいつつ、いつものようにお金がない!どうするかというわけで、なんとSadowsky NYC Vintage4を売っぱらってしまいました。それで得たお金で6弦を手にしてやろうというまさにベース転がしの黄金パターン。
比較的安くていい楽器はないものか探しまくって出会ったのがSTRブランドなのです。
SUGI購入の時もそうでしたが、東京のめぼしいショップで弾き比べ、大阪、神戸にあると聞けばいそいそと出かけては弾き倒し…今回はなかなか自分にフィットするものが見つけられず、かなりの時間を要しましたが、遂に神戸のショップで購入しました。
決め手はやはり音。私の好きなコシのある音、中音域が適度にふくらんだウォームな音。他のSTRにはあまり感じられなかった、コリッと弾む感じがとても気に入りました。ただルックスについてはあまり好みではないのが難点です。トップのキルテッドメイプルは高級ムード満点すぎてちょっと…指板も見た目はローズが好きなのですが、こっちのほうが音が良いのなら仕方がありません(笑)
そんなこんなで手に入れた6弦ベース。もっぱら最近のメインとしてがんばってくれています。
曲にもよりますが、積極的にコードトーンを取り入れたりと、宝の持ち腐れにならぬよう6弦ならではのアレンジやプレイを日々?研究しています。
SUGIの活躍の場がなくなったことで、ちょっぴり胸がイタミマス…
第1回 SUGI Mick-Model
第2回 Sadowsky NYC Vintage4
第3回 Fender Jazz Bass '73
第4回 Fender Jazz Bass '74
第5回 Fender Jazz Bass '62
第6回 STR GUITARS LS648
第7回 Fender Precision Bass '64
第8回 Musicman Stingray Bass '78
第9回 Fender Jazz Bass '65
第10回 KEN SMITH BSR6TN-CM (Black Tiger)